« ゲイツ・ヒルマンコンプレックスに引越し決定! | メイン | 茶屋サイトをリニューアル »

不景気と大学院の関係

今年度、うちの学部のPhDプログラムには1600人近くが出願したそうで、去年より200人増えたみたいです。不景気で歩留まり(=進学者数/合格者数)が高くなることが予想されるので、合格者数は少なめになり、倍率は跳ね上がったことでしょう。今年受かった人は相当ラッキーですね。下のグラフでもわかりますが、不景気になると大学院に入ろうとする人が増えるのです。

phd100108s.gif
▲アメリカの理系大学院生数と非正規雇用率の相関関係 (PhD comicsより)
 
大学側としては、より多くの研究予算を獲得すればより多くの学生を合格させられる仕組みになっています。授業料を自腹で払う学生はPhDではまずおらず、教授の予算から学生に奨学金(授業料+給料)が出ます。旅費などの経費も含め、学生一人を雇うのには年間700~800万円ぐらいかかるといわれており、教授にとっては大きな負担だそうです。学生は授業にも時間を使ったりして生産性があまりよくなく、フルタイムのスタッフプログラマーのほうがコストを抑えられるため、マシンメンテナンスなどは彼らにまかせ、学生には研究に専念させる環境が整っています。
 
予算が来るタイミングと合格を出すタイミングが合わないため、何人に合格を出すか見積もるのはとても大変だそうです。大統領のサインひとつでNSFなどの予算が増え、採択プロジェクトが増え、大学にプロジェクトが発生し、学生が合格する・・・というような予算に関する流れが非常に短期間で起き得るのがアメリカです。たとえば私が合格したときは、指導教官は英語・中国語・韓国語を対象にした研究予算をもっていたのですが、「日本語の研究ができる学生が入るから日本語OKにしてほしい」と政府に電話一本入れ、無事にプロジェクトの方針を変え、奨学金を出してもらうことができました。あとは予算の年度またぎなんかも簡単に解決することがあり、アメリカでの意思決定の速さ、柔軟さにはいつもびっくりします。逆に効率が良すぎて、ハリケーン・カトリーナやイラク戦争が研究予算に簡単に影響したりもするんですけどね。
 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://w-it.sakura.ne.jp/mt/mt-tb.cgi/608

コメント

MSEのM先生は現役時代、部下からこう文句を言われてたみたい:
「Mさんはいつも早急にものを決めすぎる」

M先生曰くそれは「I just make decisions」なんだって。

決断を下すのが難しいのは当たり前で、まわりでぶーぶー言うより、手元の情報をもとにどれだけ素早く実行に移せるかが大事だよね。それができる人たちはやっぱり凄いと思います。

似たようなのでintellectual risk takingって話があって、恥をかくかもしれない初歩的な発言でも、議論を進行させたりするためにあえてするってようなのがあるけど、とにかく行動することによって物事が動くことは多いから、そういうのも大切だね。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)