メンタル不調やうつ状態に悩む大学生が、療養のために休学するのは珍しくありません。
私も大学3年生のとき精神的に参って休学を希望し、やり方を調べたところ大学のホームページにはこんな説明が。
「教員と面談のうえ、窓口で手続きを行ってください」
…え、それだけですか?
他にはどこにも情報がなく、友達や家族に相談するのもためらわれて困った経験があります。
そこでこの記事では精神的な理由で休学するときの手順を、私の経験に基づいて解説します。
- 医師の診断書のもらい方
- 休学届(休学理由)の書き方
- 休学を決断する前に確認すべきこと
- 休学したいときにおすすめの相談相手
などなど、人には聞きにくい情報をまとめたので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
休学手続きの手順とは? メンタル不調の場合
休学を決意したものの「何をどんな順番でやればいいのか分からない…」と困惑することもあるでしょう。
そこで、休学の手続きの手順をざっくりと解説します。
- 休学届を取りに行く
- 教員と面談しサインをもらう
- 保証人(両親)からサインをもらう
- 病院で診断書をもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう
学部の教務担当窓口に休学届書を取りに行く
まず所属する学部の教務室へ行き、休学届の紙をもらいに行きます。
休学したい時期の1カ月以上前に行っておくのがおすすめです。
(前期から休学したいなら2月後半、後期から休学したいなら8月後半)
私が受付に行ったときは、休学手続きにあたっての説明を受けました。
- 休学すると卒業時期や学費はどうなるのか
- 休学手続きに必要なもの
- 休学手続きの期限
などを教えてもらえます。
資料をもらえるので、一度で理解しなくても大丈夫です。
あまり踏み入られたくない場合は「まだ検討段階なので…」と言っておけば向こうも分かってくれますよ。
また、もし休学届の提出が遅れてしまいそうな場合は、ここで前もって伝えておきましょう。
担当教員(指導教員)と面談しサインをもらう
「担当教員」とは、簡単に言えば所属先の先生です。
研究室やゼミに所属しているなら、そこの先生から署名と印鑑をもらいます。
私は1度で確実に済ませたかったので
「休学を検討しており、面談させていただきたいです」と事前にメールを送り、予定を合わせて研究室を訪ねました。
急に訪ねると迷惑かもしれませんし、事前に伝えておけば先生も対応しやすくなります。
保証人に署名と印鑑をもらう
保証人は親や扶養者のことです。
精神的な理由で休学したい場合、家族に相談しづらいですよね…
ハードルは高いですが、休学するには親のハンコがどうしても必要ですから、ひと踏ん張りです。
一人暮らしで実家に帰るのがしんどい人は、休学届を郵送で送るという手段がおすすめ。
サインをして送り返してもらえば、帰省なしで完了します。
病院で診断書をもらう
精神的な病気(疾病)を理由に休学する場合、医師の診断書を一緒に提出する必要があります。
診断書とはカンタンに言えば「この人は今、医師の目から見ても休む必要がありますよ」と認めてくれる公の文書です。
すでに通っている病院やクリニックがある人は、医師に依頼して診断書を書いてもらいましょう。
「病気かどうか分からない」「診断を受けたことが無い」という人は、近くの心療内科で「診断書を発行したいのですが」と相談します。
自分が今どんな状態で、どのような症状に悩まされているのかをできるだけ細かく話せば、初めての場所でも了承してくれるでしょう。
診断書は即日、もしくは数日後に発行してくれます。
ちなみに病院にもよりますが、診断書発行の手数料は2,000円前後です。
(正直「紙書くだけでそんなにかかるんかい…」と思いましたが、必要経費なのでしょうがないです)
教務担当窓口に提出
- 本人、保証人、担当教員の署名と印鑑が入った休学届
- 診断書
これを揃えて、教務窓口に提出すれば手続き完了です。
ただし注意点をお伝えしておくとこれらは地方の国公立大学で経験した手順です。
私立、市立、県立大学や専門学校では、必要な手順が違う可能性も充分にありますので、その点はご了承くださいね。
精神的な理由で休学するときの書き方は?
最初にお伝えしておくと、私は休学理由を文章で書かないまま申請受理されました。
休学理由の欄に書いたのは「疾病」の2文字だけ。
おそらく窓口で病気療養目的であったことを事前に伝えており、医師の診断書をしっかり提出したからだと思われます。
ですので正直、診断書がある場合は休学理由の書き方を気にする必要はそんなにありません。
しかし大学によっては、休学理由もちゃんと書かなくてはいけない可能性もあるので、書き方のポイントを簡単にご紹介しておきます。
「療養に専念したい」ことを伝える
経験則からお話しすると休学手続きに身構える必要は全くありません。
提出したこっちが拍子抜けするくらいあっさりしています。
「休学期間」「休学理由」「休学中のプラン」が明記されていれば、深く追及されることは無いでしょう。
簡単な例文をご紹介すると、以下のようなカンジです。
精神的な不調により学業の継続に支障が生じたため、20○○年○月~20○○年○月の半年間(1年間)、休学を希望致します。休学中は療養に専念し、復学可能な状態まで回復することに励みます。
休学を決断する前に確認すること
ここまで休学をする際の手順をお伝えしました。
しかし実際に休学に踏み切る前に、確認しておいてほしいことが2点だけあります。
休学した時点で卒業時期は延びる
どれだけ順調に単位を取っていても、成績が優秀でも、休学した時点で卒業時期の延長が確定します。
大学では「在学期間が4年間であること(授業を受けている期間が合計で4年分あること)」が卒業条件です。
休学期間は授業を受けていないので、半年休んだら半年分、1年休んだら1年分、復学後に授業を受ける必要があります。
たとえば2024年3月に卒業予定の人が半年間休学したら、2024年9月卒業に延長されるということ。
今まで頑張って成績をとってきた人にとってはちょっと残念ですよね…
どうしても4年間で卒業したい人、卒業後のプランがある人は要注意です。
自分の性格
少し面倒ですが、休学する前に一度自分の性格を振り返る必要はあると考えています。
- 暇になるとネガティブになりやすい
- 忙しくしないと落ち着かない
- 寂しがりで、常に人と居たい
このような人は、休学がメンタルに逆効果をもたらしてしまうかもしれません。
休学は忙しく激しい大学生活から距離を置くものですから、とても穏やかで、とても寂しいです。
元来から寂しがり屋な人は、メンタル療養のつもりがかえって孤独感を強く感じストレスになるリスクもあります。
休学が本当に自分にとってプラスになる手段か、今一度検討しなおしてみましょう。
休学中も喋ったり会ったりできる友達、恋人、家族やコミュニティがあれば安心ですね。
大学を休学したい…おすすめの相談相手
休学をするか否か、自分一人では決断しきれないこともありますよね。
友人や家族に相談できれば理想ですが、特にメンタル不調の場合ハードルが高く感じてしまいます。
そこで、休学について悩んだとき、頼りになる相談相手をご紹介しておきます。
休学経験のある先輩や友達
サークルや学部、バイト先などで、休学経験のある先輩や友人がいれば絶好のチャンスです。
実際に経験した人でないと分からない情報が聞き出せます。
「実は休学をしようか迷っていて」「経験のある○○さんに聞きたくて」と、他でもないあなたに話が聞きたいのだと伝えれば、より話しやすくなりますよ。
私は3つ上のサークルの先輩に相談のLINEをしたところ、半年ぶりの連絡だったにも関わらず電話で応じてくださいました。
実際に経験した人の話ほど参考になるものはありませんから、ぜひ勇気を出して話し掛けてみましょう。
カウンセリング機関
ベタですが、公的なカウンセリング機関も頼れる相談相手です。
なんていったって話を聞くプロですから、しっかり耳を傾けてくれます。
デメリットを挙げるとすると、以下の3点ですね。
- 先生の相性に当たりハズレがある
- 予約が多く頻繁にとれない
- カウンセリング代が高い(医療機関の場合)
大学のカウンセリング機関(学生相談室など)なら、無料で相談に応じてくれます。
休学の制度が気になるなら大学で、メンタル面が気になるなら医療機関で、使い分けてカウンセリングを探してみると良いですよ。
ネットでの情報収集はおすすめしない
休学をするべきかどうかをネットでの情報収集で判断するのはあまりおすすめしません。
(この記事を書いている私が言うのは大ブーメランですが)
ネットで「大学 休学」「休学 理由」と検索すると、長期インターンや留学といったアクティブな理由で休学する人向けの情報が多く出てくるんです。
ただでさえメンタルが弱っている時にキラキラ体験談を読んだら、みじめな気持ちになるのは目に見えています。
最近ではうつ経験者の方がユーチューブで情報発信していることも多いので、体験談が知りたいなら個人にアクセスする形で情報収集しましょう。
まとめ
以上、休学手続きの手順や確認すべき事項について解説しました。
メンタルが安定しない中、手続きを完了させるのは一苦労ですよね。
ですが提出さえすれば、ゆっくりと体を休められる期間が始まりますから、もうひと踏ん張りです。
休学中の過ごし方について経験談をまとめた記事もありますので、よければ参考にしてみてくださいね。
もし手続きの疑問点や休学中の過ごし方について経験談を聞きたいということがあれば、私のSNSからDMで気軽にお声がけください。
筆者ごまふのツイッター:@gomafufufu_0504
今回の記事が少しでも、お役に立てれば幸いです。
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