うつなど精神的に不安定な状態から療養するためにえらんだ大学休学。
しかし休学生活が続くうち
「何もする気になれない」「むしろ悪化してる気がする」「復学後や就活が不安」
と感じる人もいるのではないでしょうか。
実は精神的な理由で休学した人には、生活する中で意識するべきポイントがあります。
この記事では摂食障害でうつ状態に陥り、休学を経験した私が、大学休学中におすすめの過ごし方について解説。
経験に基づいて心の回復につながったことや、逆効果だったことをご紹介します。
大学休学中の過ごし方のポイント
おすすめの過ごし方をご紹介する前に、まずは「大学休学中に意識するポイント」を3つお伝えします。
- 元気になろうと焦らない
- 「やること」より「やらないこと」を決める
- 生活習慣には気を付ける
この3つを覚えておけば、自分なりに休学中の過ごし方を見つけられるようになりますよ。
それでは、それぞれ詳しく見てみましょう。
元気になろうと焦らない
療養のためとは言え、大学を4年で卒業できず、休学したことに負い目を感じている人もいるかもしれません。
だからといって、「はやく元気にならなきゃ」と思う必要は無いんです。
これは個人的な意見ですが、就活とか卒論のことは後回しでいいと思います。
なぜならメンタルの落ちこみを放置するほど、元の状態に戻ることが難しくなるから。
心の異変を放置して就活や卒論ばかりを重視していたら、後々にもっと悪化していたかもしれません。
ですから、今はメンタルと向き合って療養を選んだ自分をほめてあげましょう。
「今気づけて良かった」「気づいて休めて偉い」と思って良いんです。
「やること」より「やらないこと」を決める
休学をはじめ、長期休暇になると「何か有意義なことをしなきゃ」「新しいことを始めなきゃ」という気持ちに急かされませんか?
私もそうでしたが、焦って手当たり次第に取り組んだことはだいたい長続きしません。
しかもできない自分にガッカリして、いっそう気を病むリスクがあります。
休学期間を上手に過ごすコツは、「やること」ではなく「やらないこと」を決めておく。
自分が怖いこと、不安になること、ストレスがかかることを予めリストアップするんです。
たとえば私の場合、自分の体調に合わせて以下のような「やらないこと」を決めていました。
- 週末や土日は駅前に行かない
- 雨の日は無理に外に出ない
- 知人のSNSは見ない
- 授業中や帰宅時間はキャンパスに近づかない
私は「高校生や大学生、若い人を見ると怖くて疲れてしまう」という症状があります。
そのため、人混みが多そうな場所やタイミングは避け、自分と比べてしまうのでSNSも消して見ないようにしました。
「やらない」と決心することで、ストレスを回避できるうえ、できない自分に落ち込むことも無いのでオススメです。
生活習慣には気を付ける
精神的な理由で休学する場合、もっとも優先すべきは「心の療養」です。
苦手なこと、できないことを無理に頑張る必要は一切ありません。
しかし、心を優先するあまり生活習慣が疎かになると、かえって不健康になるおそれがあります。
「絶対守らなきゃ」と思う必要はありませんが、できる範囲での生活習慣には気を付けたいですね。
たとえば
- 陽の光をしっかり浴びる
- ジャンクフードは食べない
- 真っ暗の部屋でスマホを観ない
などなど、自分にできそうな、ちょっとしたことで構いません。
健康的な生活習慣は、結果的にメンタルの安定にもつながりますので、可能な範囲で心がけてみましょう。
うつ状態でもできた、休学中おすすめの過ごし方
では、先ほどのポイントを踏まえたうえで、休学中におすすめの過ごし方を4つご紹介します。
- ラジオを聴く
- 散歩をする
- 平日昼間に出かける
- 低頻度でバイトに行く
すべて私が実際に休学中に「やって良かった」と思っていることなので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
ラジオを聴く
あんまり馴染みが無いかもしれませんが、ラジオは非常におすすめのツールです。
画面を観ずに音声だけで楽しめるので、ながら聴きができて目の休憩にもなります。
中でも、お笑い芸人さんのラジオがおすすめ。
笑うことで、休学生活で沈んだ気持ちを軽くしてくれます。
芸人さんの中には、壮絶な人生経験を乗り越えている人も少なくありません。
大変だったエピソードを面白おかしく話してくれるので、聞いているうちに「私もこんなふうに明るく話せる日が来るかも」と前向きな気持ちになりました。
最近ではスマホで無料でラジオを楽しめます。
個人的におすすめのラジオアプリをご紹介しておきますね。
- ポッドキャスト
人気のラジオ番組が多く配信。iPhoneユーザーにおすすめ
- stand.FM(スタンドエフエム)
大人っぽくてオシャレ。クリエイターや一般人も配信できる
- GERA(ゲラ)
お笑い芸人さんに特化したラジオアプリ。
テレビであまり見ないマイナーな芸人さんも網羅できる
散歩する
おすすめの過ごし方2つ目は、散歩です。
「運動がうつ改善に良い」と聞いたことがある人も多いと思います。
ですが、ランニングとかジム通いとか筋トレは、習慣がないとハードルが高いですよね。
そんな中散歩なら、体力やお金が無くても手軽に始められます。
複雑なことを考えず、ただ右足と左足を交互に前に出す…
疲れたらすぐに辞められるし、ウェアも道具も必要ありません。靴も普通のスニーカーで充分。
最初は、部屋から出てポストに郵便物を取りに行くだけでも良いんです。
大切なのは、少しでも外に出て体を動かすこと。
慣れてきたら「今度はここに行ってみようかな」と、自然に距離が伸びていきます。
さっき紹介したラジオや音楽を聞きながら歩くと、より散歩が楽しくなるのでおすすめですよ。
平日昼間に出かける
普段は忙しい平日昼間に出かけられるのは休学の醍醐味です。
とくに4~7月や10~12月は世間も平常運転ですから、どのお店も場所もかなり空いています。
普段は人混みが怖くて近づけない場所も、これを機に足を運んでみると、リフレッシュになるかもしれませんよ。
私は休学中、平日の9時~14時くらいにカフェに行くのがたまらなく好きでした。
メンタルが安定しないときはカフェで一息つく。
復学後の今でも続いている心の支えです。
少しでも外に出る気分になったときは、ぜひ平日昼間の街を歩いてみてくださいね。
低頻度でバイトに行く
休学生活が続くと、意外にもアルバイトが気分転換になってくれます。
バイトは強制力があるので、外に出るキッカケになるんですよね。
また業務をこなすことで、休学で下がった自己肯定感を取り戻すこともできます。
私は幸運にも、座り仕事で頻度も少ないバイトを続けていたので、体に負担がかかることもありませんでした。
程よい運動はリフレッシュになりますが、過度な運動は疲労を招きます。
バイトも同じで、過度なバイトはかえってストレスになりますから、シフトを入れる頻度には気を付けましょう。
休学中おすすめしない過ごし方
バイトの入れすぎ
さっきはバイトをおすすめしましたが、シフトをたくさん入れるなら話は別です。
家から出て、移動し、時間を守り、業務をこなす…いくら慣れているバイトでも、これだけで確実にストレスは溜まります。
メンタルが弱っているなら尚更です。
あんまりバイトに入りすぎると、心身ともに疲労が溜まり休学の意味が無くなってしまいます。
何度も言いますが、心の療養を最優先にしましょう。
シフトのめやすは、最低でも週3日以下。
1カ月のうち、バイトが無い日のほうが多くなるのが望ましいです。
復学や就活のことを考える
冒頭でもお伝えしましたが、休学中は元気になろうと焦る必要はありません。
復学後のこと、就活のことは、自然と考える余裕ができるのを待てば大丈夫。
心に余裕が無いときに復学後のことを考えても、良い結論は出ません。
お腹が空いてたり、睡眠が足りていないときに働こうとしているのと同じです。
もし本当に心に余裕ができて、復学後について前向きに考えられるようになったときは
家族や信頼できる友達、カウンセラーの先生に相談してみましょう。
休学経験者に話を聞いてみるのも良いですね。
(もちろん、私でよければ相談に乗りますよ)
頑張って人と会う、遊ぶ
一人で居るのが落ち着くという人は、休学中に頑張って人と会う必要はありません。
もちろん、個人差はあります。
友達や先輩と会って喋ったり、家族と過ごすことで心が回復していく人もいます。
しかし人に頼るのが苦手だったり、人前では明るく振る舞うクセがある人は、かえってストレスになるリスクがあるんです。
休学すると「大丈夫?」「遊びに行こうよ」と連絡をくれる人がいるかもしれません。
しかし「今は一人になりたい」と思うのなら、無理して会わず「また今度」と断って大丈夫です。
会いたいと思える人にだけ会い、心を守ることを優先しましょう。
まとめ
以上、休学中におすすめの過ごし方について、私の体験談をもとにご紹介しました。
もちろん精神状態は人それぞれですから「今回おすすめした過ごし方で必ず回復する」「おすすめしない過ごし方で悪化する」ということはありません。
しかし、経験談に基づいた情報ですので、何かと参考にしていただけることがあれば幸いです。
今休学していることは、一切悪いことなんかじゃありません。
むしろ、心と向き合い療養することを選んだ自分を褒めて、大切にしてあげてくださいね。
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