「痩せたいのに、過食が止まらない」
「過食が快楽で苦しい」
「この生活に終わりが見えない」
私は大学2年生の頃、過度なダイエットのすえ摂食障害になりました。
低体重からの過食が止まらず、歩きながらでも過食するような日々を繰り返していました。
そんな私でも、発症から1年8か月経った今では下剤もチューイングも絶ち、時おり「食べ過ぎ」てしまう程度まで改善しています。
そこにたどり着くためのポイントは、「必ず効果がある実践法は存在しない」「自分に合う方法を見つける」ということでした。
今回の記事では、過食頻度を減らすために実践したこと、効果があったことについて私の体験談をご紹介します。
「こんな人もいるんだ」と参考にしていただければ幸いです
過食症克服のために実践したこと
「周囲に相談できない」「体型は自分でコントロールしたい」
そんな想いから、摂食障害を自力で治したいと考える人もいるかもしれません。
私も少しでも過食頻度を減らせないかと、1年以上かけて様々な方法を実行してみました。
摂食障害に関するさまざまな情報を収集し、克服した人が実践した有名なメソッドをマネしてみたりもしました。
しかし誰かにとって効果のあることが、自分にも当てはまるとは限りません。
以下からは、私個人にとって過食減少に「効果があったこと」と「効果が無かったこと」をそれぞれ解説しています。
経験に基づいて紹介していますので、ご自分の場合と照らし合わせてみて、もし少しでも実践できそうなことがあれば参考にしてみてくださいね。
過食減少に効果があったこと
家に食べ物をストックしない
買い出しでは、基本的に「当日に食べるもの」だけを買うようにしています。
経済的には割高になりますが、過食して散在するよりマシです。
私の場合、以下のような食材は買いだめしないように心がけています。
お菓子やスイーツは言わずもがな、缶詰など加熱なしでそのまま食べられる食材は家に一切ストックしていません。
私はスイッチが入るとトッピング類もそのまま食べてしまうし
レンジなどで簡単に調理できるものも無くなるまで食べちゃうので、置かないようにしています。
結果、家に常備している食材はものすごく少ないです。
ストックしている食材は、調理しないと食べられないものばかり。
我が家はキッチンも冷蔵庫もスカスカです。
ストイックに見えますが、そんなことは全くなくて
「食べたくなったら買いに行けばいい」と心に言い聞かせておきます。
実際、過食スイッチが入れば何時だろうと買出しに出かけますから(笑)
「どうせ買っちゃうなら、最初は置かないでおこう」と割り切るうちに、だんだん買いに行くのが面倒になり、過食減少につながりました。
許可食はいくら食べてもいいことにする
多かれ少なかれ、摂食障害の人には厳しいマイルールが存在します。
「絶対に食べちゃダメ」な禁止食と、「これは食べてもいい」という許可食。
禁止食に手を出すと過食スイッチが入ってしまう私は「許可食なら、いくら食べても、過食しても良い」というマイルールをつくりました。
食事の「質」を重視するかわりに、「量」は無制限にしてあげる。
自分へのストレスのバランスをとるようなイメージです。
このルールを設定したことで、仮に過食してしまっても「許可食の範囲内だからオッケー!」と自分に言い聞かせることができました。
摂食障害の人にとって、禁止食に手を出すのはとても勇気が必要なことです。
「克服のためには頑張らなきゃ」ではなく「自分がやりやすいように形を変える」ことも検討してみましょう。
添加物を避ける
これは少しマイナーな実践法ですが、私は過食をするときでも、添加物が多いものはなるべく避けるようにしています。
「ゼロカロリー系に使用されている人工甘味料は食欲を招く」という情報を目にしたのが最初のキッカケでした。
調べたところ、人工甘味料は砂糖の何倍もの甘みをもつため
味覚が強い甘味に慣れ、糖分を欲するようになるおそれがあるとのこと。
(参考:独立行政法人 農畜産業振興機構 HPより)
ちょっとやそっとの甘さじゃ満足できなくなるようです。
過食の原因を少しでも減らしたかった私は、なるべく人工甘味料が使われていないものを食べるようにしました。
すると、久しぶりに菓子パンや安いお菓子を食べたときに
「甘すぎてあんまり美味しくない」と感じられるようになっていたんです。
しだいに、甘いものを食べたくなる頻度が少しずつ減っていきました。
個人差がある方法ですが、甘いものを過剰に欲するクセがついている人は意識してみるのもおすすめです。
自分には効果が無かったこと
一般的に「効果がある」と言われている方法でも自分にはあんまり効果が無い、むしろ逆効果だったことも少なくありません。
それに、摂食障害になったことが無い人が推奨するメソッドは「当事者にはハードルが高いよ…」と思うことも正直あるんですよね…
私には効果が無かったこと、続かなかった克服法を記録しておきます。
食事記録
摂食障害を克服するための療法として、よく紹介されているのが「自分の行動をメモに記録する」というもの。
中でも食事記録は、自分の食事内容を細かくメモすることで過食を防げる食事パターンを見つけるねらいがあります。
私も病院に通い始めたころ食べたもののリストを毎日メモ帳に書き込んでいたのですが…
結論、かえってストレスになりました。
夜、その日に食べたものを振り返りながら書くうちに「あれも食べてる、これも…食べすぎじゃない?」と、どんどん不安に。
自分が過食衝動に負けている現実に向き合うのが辛くなってしまったんです。
食事記録を続けるのが苦しくなり、辞めてみると記録しないほうが過食後の気持ちの切り替えがすぐできるように。
結局、食事記録は1カ月くらいで辞めました。
禁止食を解禁する
「いっそ禁止食を気が済むまで食べたら、過食衝動も治まるのでは?」
そう思い立ち、我慢していた好物を好きなだけ食べたこともありました。
飽きるまで食べれば、「食べたい」という欲求も無くなってくれると考えたんです。
アイス、クッキー、チョコレート、菓子パン…
ダイエットを始めてから、カロリーの塊としか思えなかった食べ物たちをタガが外れたように食べあさりました。
でも結局、過食が続いただけでした。
「気が済むまで食べる」=「いつかは満足しなきゃいけない」という方程式が出来上がってしまい、いつまでも満足しない自分に焦ることになってしまったんです。
食べ続ける日々が終わる気配が無かったので、再び禁止食とは距離を置くようになりました。
今思うと、当時はまだ低体重を抜け出せていなかったので、あの頃の自分にはまだ早い取り組みだったなと思います。
予定を埋める
「食べる暇が無いくらい忙しくすればいい」
そう考えて、バイトを掛け持ちし予定を詰め込んでみたこともあります。
しかし結果は逆効果。ストレスが倍増し過食の頻度が増えただけ。
摂食障害で追い詰められたメンタルにトドメを差すことになりました。
「ストレスを忙しさで誤魔化すのは、絶対にやめたほうがいい」というのが得た教訓です。
正直、過食が減った今でも1日中家に居る日はソワソワしてしまいます。
じっとしていたり、やることが無いと食べることに意識が向いてしまうんですよね。
それでも、好きでもないことに時間を使うとストレスを招き、かえって過食の原因になりかねないということは覚えておきましょう。
自力では治せないと痛感
ここまで、私が自分であれこれと実践したことについて紹介してきました。
しかし、私個人の実感としてはやはり摂食障害を自力で治すのは難しいと考えています。
私は摂食障害を自覚してから2カ月くらい経ったころ、心療内科クリニックへ行き、カウンセリングに通うようになりました。
思い返すと、カウンセリングが無ければ今もっと苦しかっただろうな、と思います。
こういう存在が居てくれることは、摂食障害と向き合う上でものすごく重要なことです。
摂食障害との戦いは、途方もなく長い年月がかかります。
すぐに変化は現れない、長期戦だからこそ、サポートしてくれる人の存在はとても大きいですよ。
まとめ
以上、過食頻度を減らすために実践したことについて私の体験談をご紹介しました。
繰り返しになりますが、これらはあくまで経験談の一つであり「こうするべき」という指南書ではありません。
しかし、ただでさえ周囲に相談しにくい摂食障害について調べて、この記事にたどり着いてくださった皆さんのお役に、少しでも立てれば幸いです。
今でも完全に克服した訳ではありませんが
「過食で辛い日々もいつかは必ず終わる」ということは、お伝えしておきたいと思います。
もし実践できそうなものがあれば、参考にしてくださいね。
私は過食以外にも
1日20錠以上の下剤乱用
1日1万円を超えるチューイング
など、様々な症状に悩まされてきました。
もし「具体的な経験談を聞きたい」ということがあれば
私のSNSからDMで気軽にお声がけください
筆者ごまふのツイッター:@gomafufufu_0504
コメント