「外食を楽しめない」
それは摂食障害と日々向き合う人なら、誰もが一度はぶつかる悩みではないでしょうか。
「人間関係があるからどうしても断れない」「一緒に行きたいけど過食がこわい…」
友達からの誘い、職場やグループでの会食、家族とのお出かけなど、断り続けるのは難しい外食と向き合うのは難題ですよね。
最小限のストレスで外食をクリアするには、お店の特徴を考慮する、カロリー表記を見ないなどのポイントがいくつかあります。
この記事では過食症である私が、外食を少しでも楽しむためのコツを経験に即して解説します。
前提:断れそうな相手なら断る
本題に入る前に、もし気兼ねなく断れる相手であるなら、摂食障害克服中の外食は断った方が安全であることはお伝えしておきます。
外食は「ふつうに食べられる人」と比べたり、自分で食事内容をコントロールできないリスクが伴うからです。
摂食障害に理解がある人や、断れる間柄の友達からの誘いなら、無理をして付き合う必要はありません。
しかしながら、人付き合いがあってどうしても断れない・断りたくない外食もあるはず。
これからご紹介するのは、そんなやむを得ない外食でも食事のストレスを最小限にできるお店のポイントです。
過食になりやすい避けたいお店
行くのに緊張するお店、食事後に過食スイッチが入りやすいお店の主な特徴は以下の3つです。
- ビュッフェ&食べ放題
- 丼、ラーメンなどの主食一品もの
- メニューにカロリー表記があるお店
過食症である私の経験に基づいた話ですので、あくまでも体験談ですが参考になれば幸いです。
ビュッフェや食べ放題
まず最も過食のリスクが高いお店はビュッフェ、バイキング形式の食べ放題です。
お腹が10分目を超えても「まだ食べたい」という気持ちになりやすく、健常者でも食欲のコントロールがきわめて難しいお店ですよね。
特に過食症・過食嘔吐の界隈では「過食=ビュッフェ」というイメージが定着しています。
嘔吐も誘発しやすいので、よっぽど寛解を実感していない限りは外食先として選ぶのは難しいでしょう。
丼やラーメンなどの主食一品もの
次に気をつけたいのは丼、ラーメンなどの主食が一皿になっているお店です。
麺や白米が具材と一緒になっているので、食べる量をコントロールし辛いのが一番のネック。
特に男性のお客さんが多いお店の場合、最初からボリューミーに盛り付けられていることが多く、自分で量を調整できないのはけっこうストレスになります。
「麺少なめ」や「ライス少」などがメニューに備えられているタイプのお店なら使いやすいですね。
また食事にかかる時間が短くお店の回転率が速いこともあり、あまりゆっくりできないのも要注意事項。
短時間で一気にガッと食べると、過食スイッチが入りやすくなります。
- 自分でボリュームを調整しにくい
- 短時間で一気に食べるので過食スイッチが入りやすい
メニューにカロリー表記があるお店
全メニューにカロリーが具体的な数値で載っているお店は避けましょう。
ファミレスやチェーン店に多く、特に全国レベルのチェーン店はカロリー表をネットで検索できるのであまりオススメできません。
いくら気にしないようにしても、数字が目に入ってしまうと過剰に気になり、1kcalでも低いものを食べなければという衝動が誘発されます。
せっかくの外食が楽しめなくなってしまうので要注意です。
「なぜカロリーは見ないほうがいいのか?」という詳細な理由は以下の記事で解説しています。
摂食障害の療養中でも行くなら、このお店
「せっかく誘ってもらって断りたくない」
「摂食障害であることを隠していて怪しまれたくない」
そんな外食シーンでは以下のお店を選ぶことで、ストレスを少しでも和らげることができます。
- 個人経営のお店
- 「おかず単品」の注文ができるお店
- 居酒屋
過食症である私の経験に基づいた話ですので、あくまでも体験談ですが参考になれば幸いです。
食材にこだわりがある個人経営のお店
過食するときは菓子パンやジャンクフードなど、とにかくお手頃で低コストなものを大量に買いますよね。
それを逆手に取り、上質でしっかりした食材を美味しく味わおうという考え方です。
それほどグルメに詳しくない人でも、チェーン店のものと手作りの料理には味わいが違います。
個人のお店なら、メニュー1つひとつにカロリーが設定されていることもほぼありません。
- カロリー表記が無い
- 素材にこだわっているので味わい深い
- 料金や満足度が高いと過食につながりにくい
「おかず単品」の注文ができるお店
先ほどもお伝えしたように、主食のボリュームが多すぎるとストレスを感じやすい傾向にあります。
ご飯が必ずついてくる定食等ではなく、おかず単品でも充分に満足感がある料理なら、療養中も外食先として利用しやすいです。
具体例としては、品数が多い以下のようなお店が挙げられます。
- 中華料理屋
- 和食屋
- イタリアンキッチンなど
たとえば中華屋さんなら、八宝菜や野菜炒め、カニ玉など炭水化物なしでも十分お腹いっぱいになれます。
サラダだけよりも「ガマンしている感」が無いので、他の人に不信感を与えることもありません。
- 炭水化物を避けつつ野菜を美味しく食べられる
- 満足度が高い
居酒屋
ちょっと意外かもしれませんが、4人以上の大人数なら居酒屋も選択肢の1つです。
次々にメニューを頼んでみんなで取り分けて食べるので、意外と他の人が食べる量に意識が向きにくいという特徴があります。
また「飲むこと、喋ることがメイン」というところがミソ。
「なんか過食スイッチ入りそう」と感じたら、飲み物をゆっくり飲んだり話を盛り上げることにシフトできます。
2~3人だと少々やりにくくなってしまうので、会社やサークルなど組織での外食に誘われた際には検討してみるのも良いかもしれません。
- サラダや高たんぱくなメニューが揃っている
- 食べた量がバレにくい
まとめ
以上、摂食障害の療養中でもおすすめの外食先について、ポイントをお伝えしました。
- 量が調整しにくいお店は避けるのが無難。
(ビュッフェ、丼もの、一品ものなど) - メニューにカロリーが記載されているお店は行かない。
- 時間をかけてゆっくり過ごせるお店だと○
- オススメは個人経営店やおかず単品の注文ができるお店
- 具体例)和食屋、中華料理屋、居酒屋など
繰り返しになりますが、これらはあくまで過食症である私個人の体験談であり、「これを守れば絶対に外食を楽しめる!」と保証するものではありません。
摂食障害は経験者の数だけ症状が異なる病気です。
当てはまらない人もいるということはご承知おきください。
それでもこの記事が何か少しでも、お役に立てれば幸いです。
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