過食の代償行為として、食べ物を無理やり排出する下剤乱用。
摂食障害の代表的な症状の1つで依存度が高く、「危険だ」と分かっていても簡単には辞められませんよね。
過食症である私も、一時は毎日30錠以上の下剤を飲み続け、その快楽に依存していました。
しかし続けるうちにデメリットしか感じられなくなり、現在では下剤を完全に卒業しています。
この記事では下剤乱用を続けた結果と依存克服のために実践したことについて、体験談を紹介します。
少しでも参考になれば幸いです。
【体験談】デメリットだらけの下剤乱用
低体重による過食が止まらず焦りを覚えた私は、1回に10錠以上、1日30錠以上の下剤を飲んでいたことがあります。
最初はポッコリへこんだお腹に満足していましたが、2カ月以上続けるうちに体に異変が。
- 肌荒れが増えた
- 過食が増え、かえって太った
- 尿漏れするようになった
- 夜中に目が覚めるようになった
症状に個人差はありますが、私はこのようなデメリットを感じて「下剤をやめよう」と決心しました。
以下、詳しくお話しします。少しでも参考になれば幸いです。
肌荒れが増えた
下剤で無理やり下痢を起こすと、便と一緒に、必要な栄養や体の水分も大量に抜けてしまいます。
結果、肌荒れや乾燥が明らかに増えて、不健康そうな見た目に。
太りたくない、痩せてキレイになりたい一心で始めたことで、見た目が悪くなってしまったら逆効果ですよね。
過食が増え、かえって太った
先ほどもお伝えしたように、下剤は不要物や水分を出しているだけで、体脂肪が減っているわけではありません。
「質量が減っている」だけであって、「痩せている」わけでは無いんです。
下剤をたくさん飲んで、ぺたんこになったお腹がいつもとんでもなく嬉しかった…
しかし食事が少しでも多くなると「後で下剤飲まなきゃ」と思うようになって、次第に「下剤飲むから過食していいよね」という思考になりました。
結果的に過食が増え、むしろ太る原因になっていたのかなと思います。
尿漏れするようになった
行儀の悪い話になってしまいますが、下剤乱用を続けるうちに尿漏れが増えました。
お腹がどんどん弱くなり、そのうち水を飲むだけでお腹を壊すように。
トイレに行く頻度が増えるのはもちろん、尿が少し出てしまうことが増え、生理中でもないのにナプキンを付けることも。
原因はわかりませんが、下剤を飲み始めてからおかしくなったのは間違いありません。
下剤を辞めてからも尿漏れはしばらく続いたので、早めの対処が必要だと感じました。
夜中の目覚めが増え、眠りが浅くなった
夕方以降に下剤を飲むと、就寝時間中にお腹が痛くなります。
激痛で目を覚まし、トイレに行って寝て、また痛みで起きる…
その繰り返しが続き、睡眠時間を確保してしっかり疲れをとることができなくなりました。
そして一定期間続くと途中で起きるクセがつき、なかなかスッキリ眠れません。
下剤を飲まなくなった後でも、同じような時間帯に勝手に目が覚める日が続きました。
睡眠は体調を左右する大切な習慣です。
毎日気持ちよく目覚めるためにも、寝る前の下剤はおすすめできません。
下剤乱用はドクターストップ
私が下剤をやめる決心をしたきっかけの1つは、摂食障害のカウンセリングの先生に言われたことです。
「下剤だけはなんとかやめよう。対策を考えよう」
過食もチューイングも一切咎めなかった先生が「やめよう」と強い言葉を使ったのが印象的でした。
カリウムをはじめとする体内の必要な栄養素が失われ、健康状態に影響が出やすいそう。
場合によっては心療内科だけでなく大きな病院にかかる必要も出てくるので、早めの対策が必要だと教えてくれました。
下剤乱用をやめるためにやったこと
ではここからは、1日30錠以上下剤を飲んでいた私が、依存状態を脱するために実践したことを紹介します。
あくまで「体験談」なので、健康状態や依存度によって個人差があることはご了承ください。
具体的な方法をご紹介するので、少しでもお役に立てれば幸いです。
まずは1錠だけ減らす
下剤乱用は「やめよう」と思ってすぐにやめられるものではありません。
「辞める」「飲まない」ではなく、まずは「1錠だけ減らす」ことを意識してみましょう。
1回10錠なら1回9錠に。数日続けてみて、慣れてきたら1回8錠に。
焦っていきなり半分に…と大幅に減らすと反動のおそれがあるので、体が気づかないくらい少しずつ減らすのがポイント。
「飲んじゃダメ」と思うよりずっとラクですよ。
イヌリンやデキストリンを取り入れる
「下剤乱用は辞めたいけど、便秘になるのが怖い…」
そんな気持ちが下剤への依存を強化しているのではないでしょうか。
私が実践したのは、便秘対策にイヌリンやデキストリンといった水溶性食物繊維を取り入れることです。
溶けやすいパウダータイプで販売されていて、飲み物や汁物に溶かして飲むことができます。
下剤を食物繊維に置き換えることで、便秘への不安も和らげられました。
当然これも飲みすぎは良くありませんが、下剤から離れるために役に立ってくれますよ。
バイトや予定の前日は飲まない
先にもお伝えしたように、夜に下剤を飲むと睡眠が不安定になります。
そこで実践したのが「用事がある日の前日は飲まない」というルールを設定することです。
- 寝坊して人に迷惑をかけたくない
- バイト中にトイレに行きたくない
そんな気持ちが下剤のストッパーになってくれます。
自分の意志ではなく、仕組みとして飲まない日を作ることで、下剤を飲まないことへのハードルを下げることができました。
まとめ
以上、過食症の私が下剤乱用を克服した体験談をご紹介しました。
- 下剤乱用には肌荒れ、尿漏れ、過食増加などのデメリットがある
- ドクターストップがかかったこともある
- 下剤依存克服のために効果があったのは
①まず1錠減らす
②水溶性食物繊維を取り入れる
③飲まないしくみをつくる
下剤の克服には、時間と気力が必要です。
当時の私は「痩せるわけじゃない」と心の底で理解していながら、「それでも体が軽くなればそれでいい」と思っていました。
そんな自分でも下剤依存を克服できたのは、「下剤では幸せになれない」「もっと楽しいことがある」と気づけたから。
長い道のりですが、医療機関を頼りつつ、ゆっくり焦らず歩いていきましょうね。
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